高山病対策
富士山は高所のため、高所ならではの病気として高山病になりやすくなっています。
ここでは、高山病の特徴と、どうすればなりにくくなるのかを紹介します。
高山病とは
高山病は、酸素が薄くなったことによって引き起こされる病気です。
高地は、低地と比べて酸素が薄く、富士山は低地と比べて空気が60%くらい薄いと言われています。
症状としては「頭痛」「吐気」「眠気」です。
最悪の場合は、死に至ることもあります。
死に至ることもあるものの、基本的にはそこまでひどい状況になるのは稀です。
基本は「頭痛」「吐気」辺りに注意し、その症状が発生したら、高山病の可能性を考慮して対応しましょう。
高山病は年齢・性別等関係なくなる
高山病は、年齢や性別などに関係なくなる可能性があります。
体質の問題もありますが、適正な対処をすれば、高山病を回避することも可能です。
決して、健康だからならないとか、体力があるからならない、ということではありませんので、特に体力に自信がある人は、注意した方が良いでしょう。
高山病にならないための方法
ここでは、高山病にならないためのいくつかの方法を紹介します。
ならない、と言っても、最終的にはその人次第になります。なってしまった場合は、対処方法をご確認ください。
高所順応をする
高いところに登ると、酸素が薄くなります。その薄い状態に体を慣らすと、高山病になる可能性が減ります。
具体的には、高所に着いたら、少しその場にとどまり、その場の酸素の薄さに慣れるようにします。
まず、各登山口に着いたら、1時間くらいはその場にとどまり、のんびりしておきましょう。深呼吸も意識してするとよいでしょう。
このほか、登山中にもところどころで止まってくつろぐと、より高所順応が万全となります。
一日で一気に頂上まで登る予定をたてるのではなく、山小屋での宿泊を入れると、その場でも高所順応が出来るため、より確実になります。
山小屋は、あまり高い山小屋ですと、高山病になりやすいため、3000m前後辺りを目途に宿泊しましょう。
深呼吸をする
酸素がないために引き起こされる病気ですので、酸素を肺に取り入れるため、積極的に深呼吸をしましょう。
深呼吸のコツは、肺にある空気をすべて吐き出すという点です。
空気をすべて吐けば、あとは入ってくるだけです。
肺にある空気を出さないと、空気が肺の中に残ってしまい、吸える酸素の量が限られてしまいます。必ず、吐き出した後に、吸うようにしましょう。
動悸・脈拍を整える
動悸がしたり、脈拍が早くなっているようであれば、少し休憩して落ち着くようにしましょう。
この時、深呼吸が有効です。
水分を補給する
水分を取るのも高山病に有効です。
大量に取ると、トイレが近くなるだけですので、15分に一口、30分に一口というように、定期的に少しずつ飲むようにしましょう。
水分を取らないと、血液が思うように流れず、結果として、体に酸素を運ぶ血液の流れが滞ることになります。
さらさらな血液を維持するためにも、水分は随時飲んで行動するようにしましょう。
睡眠中は意識して呼吸する
寝ている最中に意識して呼吸するというとおかしな話のように感じますが、次の2点に気をかけてもらうと、高山病になりにくくなります。
一つは、寝方について。もう一つは、目を覚ました時です。
寝方に関しては、仰向けに寝るよりかは、横向きになることをお薦めします。
仰向きに寝ると、いびきをかくことがあります。いびきをかくということは、肺に十分に空気が入っていないということを意味します。肺に空気が入らなければ、当然酸素も取り込めませんので、その結果、高山病になりやすくなります。
横向きになると、いびきをかくような状況になりにくいため、仰向けよりかは空気の通りが良くなります。
目を覚ました時ですが、山小屋では他の人が動きだしたりすると、こちらも音で目が覚めることがあります。そうした時に、意識して深呼吸をするとよいでしょう。
高山病は、寝て、起きたときに発生していることも多々あります。寝ている時の気づかいによって、抑えることができるでしょう。
高山病になった場合の対応方法
高山病の症状が出た時の対応方法です。場合によっては、頂上までの登山を諦めて、下山する必要も出てきます。
高山病にならない方法をすべて試す
たいていは、高山病にならないための方法と同じ行動をとることで、対応が可能です。
深呼吸と水分の2点に重点を置き、対応してみましょう。
下山する
高山病は、高いところにいるから発生する病気です。
このため、高いところから降りれば、治まります。
特に、頂上付近まで来ていたら、降りるのが悔しいかもしれませんが、それでも状況が良くならないのに登って、余計体調を悪くしたら、元も子もありません。
最悪、死につながる病気であるということを思い浮かべ、勇気ある撤退をしましょう。
ある程度下山して、治ったら、再度チャレンジしても良いかと思います。気力があるのであれば、途中から登りなおしましょう。
携帯酸素缶を使用する
酸素が入っている携帯酸素缶を使用するという方法もあります。
ただ、この酸素缶は、本当に効果があるのか疑問視されています。
プラシーボ効果(偽薬効果)を期待して使用するとよいかもしれません。お金もかかるものですし、持っていくと荷物にもなりますので、あまりお薦めはしません。
酸素缶を使用するよりかは、正しい深呼吸の仕方を学び、行った方が有効のように思えます。
親指と人差し指の間の付け根辺りを押す
親指と人差し指の間の付け根辺りをギュッと押すと、そこのツボが高山病に効くという話があります。
本当かどうかはわかりませんが、特に難しいことでもありませんので、深呼吸をしながらグイグイ押してみましょう。
押すことに集中しすぎて、疲れて逆に悪影響を及ぼさないように注意しましょう。