弾丸登山はしない
弾丸登山とは、睡眠などを取らずに山頂を目指すことを指します。2つの新聞記事を紹介します。
5合目から睡眠取らずで登頂成功率低下
2012年6月28日の日本経済新聞に弾丸登山をした時と、山小屋に宿泊した時とでの登頂成功率に関する情報が掲載されました。
データは2010年8月に下山してきた人414人を対象にしたものです。
弾丸登山で挑んだ人は86.5%、一方山小屋に1泊した人は94.6%の人が登頂に成功しています。
5合目を0時に出発し、頂上でご来光を目指す弾丸登山の実施者は全体の3割の126人居て、成功した人は109人でした。
弾丸登山は高度順応をする時間もないため、高山病を引き起こしやすくなります。
山小屋に泊まれば多くの人が登頂可能な富士登山。安全確実に、そして登頂するという目的を達成するためにも、弾丸登山をしないように計画を立ててはどうでしょうか。
時期によっては山小屋に人が多くて泊まれない可能性もありますので一概には言えませんが、そうした時期をあえて外して登山することも検討しましょう。
富士弾丸登山自粛を
2011年2月21日の日本経済新聞に下記の記事が掲載されました。
『富士「弾丸登山」自粛を
山梨の市町村など要請へ
夜間の事故を防止
富士山周辺の山梨県側の市町村や観光団体などで構成する「富士山環境保全協力金協議会」は21日までに、富士登山の際、夜間に5合目から睡眠を取らずに山頂を目指す「弾丸登山」のツアーを自粛するよう旅行業界に求める方針を決めた。
2月中にも日本旅行業協会を通じて呼び掛ける。弾丸登山は登山ブームを背景に、数年前から増加しているという。協議会会長の堀内茂・富士吉田市長は「一番危険なのが夜間の登山。事前に防止できるものは防止し、安全性を追求したい」と話した。
同市によると、山梨県側の登山者数は昨年、約26万人で過去最多。8合目の救護所の受診者数は、時間帯でみると午前2~3時が最も多く、弾丸登山の影響があるとしている。
協議会の委員を務める東大大学院の山本清龍助教は「暗い中、ガイドもいない環境での登山には道に迷ったり足を踏み外したりする危険がある」としている。』(日本経済新聞2011年2月21日)
初心者でなくても弾丸登山をすると、途中で体調を壊すなどして登頂出来ないことが多々あります。
初心者であれば、なおさらペース配分や体調管理が難しいと思われます。
そのため、初心者として登るのであれば、余裕のあるスケジュールを取り、途中の山小屋で仮眠するなどして急がずゆっくりと登る事の出来るプランを立てましょう。
特に、一人で登るのであれば、途中で助けてくれる人がおらず、いざ辛い状況に陥った時には打つ手が無くなることもあります。人が多く登る山ですので、助けてくれる人もいるかもしれませんが、他の人の予定を狂わすことにもなります。一人で行動するのであれば、迷惑をかけることを出来るだけ減らすよう注意したいところです。