富士山頂上に登る4つのルート
富士山には頂上に登るための登山道が4種類用意されています。
それぞれのルートに特徴がありますので、好みに合わせて選びましょう。
吉田口・河口湖口ルート
吉田口ルートと河口湖口ルートを合わせて「吉田口・河口湖口ルート」と呼びます。場合によっては河口湖口ルートも「吉田口ルート」として呼ぶこともあります。
吉田口ルートは、麓も一合目から続くルートで、すべてを登ろうとするとかなりの労力が必要です。
その吉田口ルートに六合目でつながるのが河口湖口ルートです。
河口湖口ルートは、バスで五合目まで進むことができるため、かなり楽をすることができます。2300mからのスタートです。
河口湖ルートが一番人気の高いルートです。
この2つのルートが六合目でつながり、あとは同じ登山道を進んでいくことになります。
初心者は「河口湖口ルート」を進むとよいでしょう。多くの富士登山の情報はこの河口湖口ルートを基準に紹介されています。
道中に山小屋の数が多く、救護施設なども完備されています。
山小屋が多いということは、トイレも多いことにつながります。山での心配の一つであるトイレの心配をしなくて済むのは気持ちが楽になるでしょう。
また、山小屋では飲食物などの販売も行われているため、多くの飲み物を持って行って荷物を重くする必要もありません。
雷が鳴った時の避難も容易ですので、初心者に一番お薦めできるルートです。
ただ、それだけに人の数が多いというデメリットもあります。
時折自分のペースで進めないこともありますので、あせらずじっくりと進んでいきましょう。
登山道と下山道が分かれていますので、通るルートを間違えないように、看板をしっかりチェックしましょう。
富士宮口ルート
登りと下りが終始同じとなるルート。2400mからスタート。
二番目に人気の高いルートです。
登山開始の場所から頂上までの距離は一番短いものの、段差も多いルートのため、吉田口ルートよりかはやや辛いといえるでしょう。
山小屋の数も比較的多めです。
山では基本上り優先となります。このため、下山で利用する場合は、上ってくる人がいたら、やや広い場所を見つけ、脇に移動するようにしましょう。
下山時は、他のルートのように砂走りの場所があるわけではないため、足に影響が出やすくなります。
慎重に、ゆっくりと下山する必要があります。
宝永山へのアクセスも可能なルートですので、体力に余裕があるようでしたら、そちらに足を運んでみるのもよいでしょう。
須走口ルート
緑の多いルート。序盤は木々の中や植物が生い茂る場所を経過していきます。2000mからスタート。
本八合目以降は吉田口・河口湖口ルートとつながるため、特に御来光を頂上で見ようとする場合は渋滞に巻き込まれやすくなります。
登山開始の標高がやや低めのため、歩行時間も長めになります。
下山時は、砂走りの場所があり、足にあまり負担をかけずに、比較的短い時間で下っていくことが可能です。
下山時には、須走ルートと吉田口ルートとの分かれ道がありますが、ここで間違える人がいます。必ず、自分はどちらのルートで帰るのかを確認し、分岐点で正しい方向を選びましょう。分岐点の位置は八合目の場所です。
御殿場口ルート
上級者向けのため、初心者は立ち入り不可のルートです。1440mからのスタートです。
麓の一合目から進んでいく必要があるため、道中が長いという特徴があります。また、道に変化がないため、面白みを感じず、精神的にも疲れます。
山小屋の数も限定的で、飲食物の補給が気軽に行えません。
また、頂上付近の道は、小さな岩が多く、滑りやすくなっています。段差もややある階段状になっていますので、足腰の強さも必須です。
下山道は大砂走りが魅力として紹介されています。
山小屋の数が少ないのは登山道と同じですので、補給すべき時にしっかりと補給し、下っていきましょう。
大砂走りに入ったら、麓までもう補給できる場所はありません。
道中は多くの山小屋や休憩場所が倒壊していることからも、厳しいルートであることが窺えます。