富士山登山の日程
富士山の登山の日程は、いくつかのパターンがあります。ここでは、それぞれの日程と、その日程でいく場合の注意点を紹介します。
一日登山
朝早くに現地に到着し、登山を開始、そして登頂したらその日のうちに下山。夜には現地を発つという日程です。
御来光などの時間帯に関係なく、登山をする事が可能です。
この方法は、明らかに脚力があり、山の知識もあり、そして高度順応なども問題がないような人のみが可能な登山方法です。
一気に高度があがり、そして下ってくるため、単に脚力があるだけではなく、高山病にかかりにくい体である必要があります。自身がそうであるかは、過去に山登りを何度も行い、試しておく必要がありますので、初心者には不向きな日程です。
夜間登山
夜間に登山を行い、頂上近辺で御来光を見るための日程です。
1日目は夕方から登山を開始し、そして、休み休み頂上を目指します。頂上につく辺りに日の出の時間帯になるように登り、そして頂上で御来光を見て、その後は下山します。
一日登山と異なり、比較的ゆっくりと登っていくことができるため、高度順応をする時間の確保は可能です。
しかし、暗闇の中をヘッドライトのみで登っていくため、怪我などの恐れがあります。落石などの把握も昼のようにはいきません。
また、日頃の睡眠時間の状況にもよりますが、夜に寝ている人の多くが睡眠不足状態になるかと思います。これもまた、高山病への影響のあることですので、この点の対応も必要になります。
さらに、頂上で御来光を見ようとすると、最後の方で渋滞に巻き込まれてしまい、なかなか上に進むことができません。
夜は寒く、天候が悪かったり風が強かったりすると、先に進めず体を動かして温まることもできないため、一気に体力を消耗します。
以上のように、夜間歩行対策、眠気対策、防寒対策が必須の登山日程と言えるでしょう。
山小屋仮眠宿泊登山
昼ごろに出発し、山小屋に到着、食事や仮眠をとり、夜間に頂上目指して出発、そして山頂で御来光を見るという日程です。
多くの人がこの日程で頂上の御来光を目指します。
頂上御来光を目指すのであれば、一番無難な日程と言えるでしょう。
しかし、頂上での御来光を見るには、宿泊する山小屋の場所にもよりますが、0時から1時までには出発する必要が出てきます。
また、頂上付近では頂上で御来光を見る人による渋滞もおき、予定通り早めに出発しても頂上で御来光が見られない恐れがあります。
夜間登山となるため、ヘッドライトなどの準備も必要です。もっともヘッドライトは夜間登山をしなくても必ず持っていく必要のある道具ではありますが。
休憩を十分とれるため、夜間登山で一気に登っていく人よりかは問題の少ない日程ですが、それでも頂上付近では苦労も待ち受けています。
夜間歩行対策、防寒対策をしっかりとしておきましょう。
山小屋宿泊1泊2日登山
登頂の成功しやすい日程がこのパターンになります。
昼過ぎに出発し、山小屋に入り宿泊します。
その後、明け方に出発し、登頂を目指します。御来光は山小屋の前や道中で見ます。
頂上で御来光を見ないようにすることで、ゆっくりと寝ることができ、寝不足による高山病の心配が少なくなります。
御来光は道中で見るか、山小屋の前で見るため、出発時間も遅めにすることできます。これにより、睡眠時間を長くとれますし、なにより、御来光を頂上で見ようとしている人たちのように渋滞に巻き込まれずに済み、自分のペースで先に進んでいくことが可能です。
日が出てきたら、寒さも和らぎますので、寒さに苦しむことも減ります。
御来光とは、別に頂上で見なくても御来光ですので、無理に頂上御来光にこだわらないのであれば、一番万全な日程と言えるでしょう。
初めての富士山登山の方にはお薦めの日程です。
山小屋宿泊2泊3日登山
年配の方や、体力に不安のある人にお薦めのプランが2泊3日です。
登りで2日分、山小屋に宿泊するという手もありますし、2日目の下山時に一度山小屋で宿泊するということもできます。
この辺りの日程は自身の体力などを考慮してプランを作りましょう。
問題は、山小屋の予約が2日連続でうまく取れるかどうかということや、高山病になりやすい人の場合、高いところで宿泊すると高山病になる確率が上がるという問題があります。
さらに、山の天気は変わりやすいため、数日前の天気予報では日程中の天気が良かったにも関わらず、3日目の下山時に天気が崩れて逆に歩くのが難しい状況になる可能性もあります。
あくまで、体力に不安のある人のみ検討に値する日程と言えます。